今回ご案内している「スタンダードハンドブック活用セミナー」は、一見すると「院内ルールづくり」や「マニュアル整備」の話に見えるかもしれません。
しかし、これまで多くの歯科医院や組織を取材してきた立場から見ると、この取り組みの本質は、管理の話ではなく、判断の話だと感じています。
歯科医院は、人の集合体です。
年齢も、経験も、価値観も異なるスタッフが同じ現場に立ち、同じ患者さんと向き合う以上、判断の基準が曖昧なままでは、善意や努力が、かえってズレを生むことも少なくありません。
「なぜ、あの人と同じ対応ができなかったのか」
「なぜ、言わなくても分かると思ったのか」
こうした行き違いの多くは、能力や意欲の差ではなく『当たり前の定義が共有されていない』ことに起因しています。
スタンダードハンドブックが目指しているのは、行動を縛るルール集ではなく、現場が迷わないための「判断の地図」を用意すること。
経営者がすべてを指示し続けなくても、スタッフ一人ひとりが「ここはこう判断すればいい」と自走できる状態。
それは、結果として院長自身の負担を減らし、組織としての再現性を高めることにもつながります。
社長の記事にもある通り、人を揃えることは難しくても、当たり前を揃えることはできる。
この言葉は、理想論ではなく、実際に複数の組織を見てきたからこそ出てくる、現実的な視点だと受け取りました。
今回のセミナーは、その完成形を学ぶ場というよりも、「仕組みで強くなる組織づくりとは何か」を考え始める入口として位置づけるのが適切でしょう。
組織づくりに正解はありません。
しかし、判断基準が共有されていない組織が、長く安定して強くなることが難しいのは、多くの事例が示しています。
このセミナーが、「自院にとっての当たり前とは何か」を見直すきっかけになれば、それだけでも十分に意味のある時間になると思います。
0コメント